映像情報メディア学会技術振興賞受賞
スポーツ中継の新表現と、番組制作の効率化をテーマに受賞

News release
2024.04.25

 株式会社日テレWands(本社:東京都港区 代表取締役社長 鈴木 重利、以下日テレWands)は、日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区 代表取締役 社長執行役員 石澤 顕、以下日本テレビ)とともに、映像情報メディア学会にて、「技術振興賞コンテンツ技術賞」を受賞致しました。
 この賞は毎年、映像情報メディアに関する研究や開発等で著しい功績をあげた個人、団体に授与されます。
 日テレWandsは、日本テレビと共創して今後も積極的な新技術の開発を後押しし、皆様への魅力的なコンテンツ提供と番組制作に取り組んでまいります。

受賞テーマ:ビデオペンシステムの開発と機能拡充

 これまでビデオペンというシステムは、主に「フリーハンドによる軌跡描画機能」のみが注目されてきました。しかし、本開発ではその直感的な操作感に着目し、画像認識などの機能を誰でも簡単に扱うことができるシステムへと再開発しました。その操作性の高さから様々なコンテンツへ広がりを見せ、以下の点でコンテンツの新しい表現や番組制作の効率化に大きく貢献しました。

  • 映像上の人物をタッチすることで、これまでは後編集で追加していた追従CGをリアルタイム表示できます。これにより、生中継においても一目でどの選手に注目すべきかを視聴者に分かりやすく伝えることが可能となりました。(写真1参照)
  • PC画面等の文字を囲むだけで文字認識し、選手の得点データをテロップへ即座に反映することができます。これまではプレー中の選手情報をオペレータが読み取りデータ入力していましたが、これにより人力では間に合わずに出せなかったプレー情報も瞬時にテロップへ反映でき、制作現場の省人化とコンテンツ情報の価値向上を実現しました。
  • 駅伝やマラソンにおいて、中継車の現在位置を表示するPC画面を囲むことで文字認識し、合成音声と組み合わせることで、中継車の位置情報を各中継ポイントに伝える業務を自動化しました。これにより、位置情報の読み上げを行う人員の省人化と中継現場の安定運用に貢献しました。
  • 試合中に表示されているタイマーを囲むことで、試合時間と連動しながら会場の歓声を分析し、試合の盛り上がり度をAIが算出するシステムを開発しました。本企画はハーフタイム中のワンコーナーとして、日本テレビが中継した全19試合にわたってラグビーW杯を盛り上げ、スポーツのハイライトシーンに新たな軸を提供しました。(写真2参照)

以上のようにマルチな機能を搭載しながらも、事前準備が簡単でオペレーションが直感的であるなど、その技術と工夫が高い評価を受け受賞に至りました。

●受賞者のコメント

  • 開発 佐藤崇史(日テレWands メディアソリューションディビジョン)
  • 開発 小島佳奈(日テレWands メディアソリューションディビジョン)
  • 開発 御子貝真一(日テレWands メディアソリューションディビジョン)
  • 開発 海野修哉(日テレWands メディアソリューションディビジョン)
  • 起案/開発 篠田貴之(日本テレビ 技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)
  • 起案/開発 岸楓馬(日本テレビ 技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)
  • 起案/開発 三浦祐樹(日本テレビ 技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)

 これまでも弊社では、日本テレビとともにAIをはじめとするさまざまな技術開発を行い、制作現場の省力化や新たな演出に取り組んで参りました。今回はそのような各種機能を統合し、「多機能でありながら誰でも簡単に扱えるデバイス」を開発いたしました。本システムは社内開発ならではの機能追加の柔軟さが特徴であり、今後も様々な新技術の機能追加が期待できます。その結果、制作現場の誰もが簡単に新技術を活用でき、視聴者の皆様へさらなる価値を提供できると考えております。これからも、分かりやすいCG表現や新しい映像体験をより多くの視聴者の皆様へお届けできるよう、開発を進めて参ります。

【会社概要】

会社名
株式会社日テレWands(NTV Wands Inc.)
所在地
東京都港区東新橋一丁目6-1 日テレタワー23階
代表者
鈴木 重利
設立日
2018年7月2日

【本件に関するお問い合わせ先】

担当 : メディアソリューションディビジョン エイディお問い合わせ窓口 内舘 真一
TEL : 03-5962-8240
e-mail : info@ntv-wands.co.jp