プロジェクトリーダー

産休育休取得してもキャリアアップはできる!取得しやすい雰囲気を作っていきたい

長尾桃子(2012年新卒入社)

東日本大震災直後の就職活動

 大学では環境情報学を専攻していて、ITに特化した学部ではありませんでしたが、自分が作ったもので社会に貢献したいという思いがあり、就職活動を始めた時はモノづくりができる業界を見ていました。大学時代、ITを幅広く勉強していたわけではないので不安はありましたが、自分で作ったシステムで世の中の誰かの役に立てたら嬉しいなと思い、IT系に対象を絞りました。実は、2011年の東日本大震災が起こった時、私はエントリーシートを書いたのを今でも覚えています。その後は採用を控える企業も多くあって、就職活動は厳しくなっていきました。そんな状況の中で内定を出してくれたのが今の会社で、自分のやりたいことが実現できそうと思い、入社を決めました。

入社当時の私に伝えたいこと

 IT企業のイメージ通り、入社してみると女性は少ないなというのが最初の印象でした。しかも新卒採用は少なく、中途採用で10歳以上離れた先輩が多かったです。最初はなかなかなじめず緊張していましたが、飲み会などにもいろいろ誘っていただき、コミュニケーションを積極的にとってくださる先輩ばかりでした。
 入社してからは研修漬けの毎日で、9月まで続きました。インフラの知識やAndroidアプリを作成したりと、IT知識をつけるのに精いっぱいでした。途中、社長や各部署の管理職を合わせて6人以上を相手にプレゼンをするというプログラムがあり、これはかなり心が鍛えられたのを覚えています。プレゼンの内容を作るだけでなく、社会人としてのマナーや会議を成立させる一連の流れがそこに凝縮されていた、と今になって思いますね。10年たってその頃の私に「頑張っておいてよかったよ!」と伝えてあげたいです。

産休・育休復帰後のポジションの検討や働く環境の整備

 営放プロジェクトに入ったばかりの入社3年目2015年に結婚しました。当時は営放システムの開発真っ只中で、苦手意識の強かったプログラミングを残業してがりがりやるような時期で、もう少し開発スキルを向上させたいと考えていました。
 2017年に営放システムの開発が落ち着いたあたりで、そろそろ子どものことを考えようと思いました。
 同じチームで産休・育休をとった先輩もいませんでしたし、迷いに迷って仕事を優先しましたが、いざ子どもができたとわかった時にはどうしようかなと。上司が、産休・育休を取った後でも仕事に戻ってこれるように環境を作っておくから、と言ってくださいました。実際に、復帰後の働く環境や組織も再検討し、調整をしてくれました。女性として子育てをしながら色々な役回りもできるんだよ、ということを私にも教えてくださった感じがします。
 よく聞く話として、産休・育休を取った後、会社に戻っても時短勤務せざるを得ないからポジションを下げて勤めざるを得ないというのがありますが、復帰当初こそ時短勤務でサブリーダーでしたが、フルタイムに戻ってからは逆にキャリアは上がり、2022年4月からは営放チームの運用保守の開発リーダーを務めています。

調整も仕事の中の一つ、という教え

 時短勤務をしていた頃はコロナ禍前なので出社していました。勤務時間は9時半~16時半で、子どもの保育園のお迎えに間に合わせるためには、仕事の区切りがつかなくても16時半で切り上げるしかなかったのです。
 仕事を逃げている、捨てているというイメージが自分の中にどうしてもあったのですが、見ている先輩から「そういう調整も仕事の中の一つだよ」と言われました。チームで仕事をしていると、自分でなんとかやりくりして期限内で終わらせるためには先取りしておく必要があるし、協力を仰ぐというのも大事な仕事だと思うよ、とアドバイスをいただきました。
 チームには子育てして働いている女性は私だけなので、自分のことや家庭のことを伝えることを大事にしています。例えば、子供の体調が不安で早めに仕事を切り上げる必要がありそうな場合に、メンバーにも話をしておくで、子供に目を向けやすい状況を自分の中で作っています。
 今は責任のあるポジションにあるので、仕事もとても大事ですし、一緒に働いてくれているメンバーがどんな状況なのかちゃんとキャッチしたいと思っています。一方で子育ても大事にしたいので、そこはうまく折り合いを付けて毎日がんばっているところです。

健康的に楽しく働くための制度改革を進めたい

 仕事の相談をしていると、やはり育児とのバランスも話題にもなりパパ、ママである先輩によく話を聞いてもらいます。私の場合は、一人で決めていくよりも周りに相談して仕事と育児についての悩みを解消していくことが多いですね。とはいえ、今所属している営放チームの後輩が、結婚して子どもができて仕事をどうしようか、と迷った時に、私がこれまで先輩にしていただいたような環境づくりや声をかけるなどのサポートをしてあげたいと思っています。女性が少ない分、思うことがたくさんありますね。
 テレワーク制度は通勤時間が無い分、本当に助かっています。
以前、勤務制度を考えるワーキンググループに参加していて、そこではテレワーク以外の制度改革も考えたいという話が上がってきていました。働くパパやママが仕事と育児を両立しやすい制度になっているのか、男性の育休や介護休暇を取りたいけれど取っている人は少ないという現実を、少しずつみんなで一緒に考えていけたらいいなと思います。

インタビュー年月:2023年2月

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